安保
ひどい目にあいました(笑い)。ちょうど40歳のときでした。胃がんの検診で「要精密検査」といわれてしまったんです。
内視鏡の精密検査までに三週間近くあり、その間は本当に生きた心地がしませんでした。家族には心配をかけると思って伝えられなかったので、一人でただひたすら恐怖心と闘っていました。「胃ガンだったらどうしよう。胃ガンではありませんように」と。
一週間ほどして耐えられなくなり、知り合いの消化器内科の医師に相談しました。すると、彼は「そんなの心配ないですよ。ガン検診なんて、実際には20倍も多くの人に『要精密検査』と出しているんですよ」なんて、説明してくれた。要するに、「ひっかけ」なわけです。統計的には、20人のうちに一人だけガンが見つかる仕組み。そんな乱暴な検査で、あとの19人は不安と恐怖を味わうだけ。死ぬほどのストレスでした。
実際、私はその三週間で体重が八キロ落ちました。精密検査では、「胃が乱れているけど、ガンはない」って。そりゃ、ストレスで胃も乱れるって(笑い)。 |