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がんの治療法について
【対談】安保 徹 & 上野 紘郁

ガン検診のいい加減さ
上野

安保先生は、ガン検診で引っかかった経験がありますね。
安保

ひどい目にあいました(笑い)。ちょうど40歳のときでした。胃がんの検診で「要精密検査」といわれてしまったんです。
内視鏡の精密検査までに三週間近くあり、その間は本当に生きた心地がしませんでした。家族には心配をかけると思って伝えられなかったので、一人でただひたすら恐怖心と闘っていました。「胃ガンだったらどうしよう。胃ガンではありませんように」と。
一週間ほどして耐えられなくなり、知り合いの消化器内科の医師に相談しました。すると、彼は「そんなの心配ないですよ。ガン検診なんて、実際には20倍も多くの人に『要精密検査』と出しているんですよ」なんて、説明してくれた。要するに、「ひっかけ」なわけです。統計的には、20人のうちに一人だけガンが見つかる仕組み。そんな乱暴な検査で、あとの19人は不安と恐怖を味わうだけ。死ぬほどのストレスでした。
実際、私はその三週間で体重が八キロ落ちました。精密検査では、「胃が乱れているけど、ガンはない」って。そりゃ、ストレスで胃も乱れるって(笑い)。
上野

今「早期発見・早期治療」を掲げて、どこでも検査しろ検査しろとうるさいですよね。検査して治るなら検査もするけど、逆に、この検査でも病気をつくりだしてしまうのだから。先生は胃の荒れで済んだからいいけど、本当にそれでガンになってしまった人だっているんじゃないのかな。まあ、調べようがないけど。
安保

確かに(笑い)。その間に発ガンしてるよ、何人かは。
私は、早期発見が悪いとは言っていないんです。むしろ、いいことだと思う。それによって、ガンが小さいうちに生活の見直しができ、自律神経の働きを元に戻すことができます。ただ、早期発見するために検診に行くことはない、と言っているだけです。自己検査で十分です。顔色が悪い、食欲がない、疲れやすい、よく眠れない、まどの自覚症状があるようでしたら、まずそれまでの生活を振り返ってストレスの原因を突き止めます。
原因があったら改善し、しばらく(一週間から10日ほど)様子を見てみます。それでも自覚症状が治まらなければ病院で検査してみればいいのです。何かあれば、きっとご自分の体からメッセ−ジが発せられているものです。それを信じることです。
ところで、私が胃ガンでないと分かったとき、急にお腹が空いてきました。あれほど、食欲もなかったのに、人間とは精神の生き物であることを実感しました。それで、外に出て見つけた食堂で、大盛りカツ丼を注文してぺろりと平らげてしまいました(笑い)。あのカツ丼のおいしさは、今でも忘れられません。
このときはまだ私の免疫学は確立していませんでしたが、もし、胃ガンと診断されていても、私は三大療法を選択していなかったと思います。
ガンの三大療法を否定する理由
上野

多くの人は、ガンにかかってしまった場合、いわゆる現代医療の三大療法と呼ばれる手術、放射線、化学療法の治療を選択するのではないでしょうか。安保先生は、これらの治療は受けないほうがよいとおっしゃっていますが、その理由を聞かせてください。
安保

はい、それらはすべで患者さんの体にとって、もちろん精神的にもですが、大きなストレスとなるからです。
まず、手術ですが、原則的にしないほうがいいと思う理由がいくつかあります。
第一に、体にメスを入れることの負担です。そして、メスを入れたとしても切除する範囲は限られます。ガンは全身病でもあるので、手術をするときにはすでに別の部位に転移している可能性もあり、特にそうした場合の手術は無意味です。さらに、手術時の血液やリンパ液に乗って、ガン細胞が他の場所に飛んでしまう危険性も否定できません。手術さえしなければ、と悔やむことになります。
第二に、手術時の麻酔は強い薬なのでストレスを招き、免疫力を低下させます。
第三に、術後の後遺症を招く危険性です。最近では、拡大手術から縮小手術へと変わってきたとはいえ、いまだに胃や子宮など、根こそぎ切除する全摘術も行われています。特に、リンパ節まで切除してしまう(郭清)場合も多く、これは絶対に避けたほうがよいでしょう。
「リンパ節が腫れているので」と、医者は説明するかもしれませんが、これも治癒反応の一つで、リンパ節でリンパ球がガン細胞と闘っている証拠です。リンパ節を切除して闘う場をなくしてしまったら、それこそ関所がなくなって、ガン細胞は体中を駆け巡ってもおかしくありません。
リンパ節を切除すると術後に「リンパ浮腫」という症状を招くことが少なくありません。これは、リンパ液の流れが滞ることにより、手術の部位によって異なりますが、足や腕が腫れ上がる症状を言います。患者さんは大変つらい思いをしなければならず、完治することはまれです。
上野

不要な臓器なんてないのにいまだに全摘がおおいですよね、日本では。リンパ節郭清なんて、もうやめればいいんだ。海外では、なるべく郭清しない方向になっていると思います。

  対談内容

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