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がんの治療法について
【対談】安保 徹 & 上野 紘郁

上野

20年前にスウェーデン、デンマーク、ノルウェーのほうが長寿国でした。そのころ、私はその理由を知りたくてそうした国々に行ってみたのです。
そうしたら、驚いたことにどこも田舎なんですね。農業国で、森の中にポツンと家が建ってる。白夜で、いつまでも明るいので農作業が終わってから思い思いに楽しんでいる。デ−トをしたり、スポ−ツセンタ−で水泳をしたり。
そのときは、なんだか素朴すぎてつまらないな、と思いながら帰ってきたんです。でも、それこそが長寿の秘訣だったんですね。地産地消で新鮮なものを食べ、自然に囲まれてのんびり暮らしているから、結局、病気も少なく寿命も延びる。
日本は、化学思想と東洋思想、二つの面を持っています。長寿でいられるのは、東洋思想の恩恵と言ってもいい。東洋思想を取り入れていない国はほとんど短命です。科学の面に依存しすぎるのは、大きな間違いなんです。
僕らが医学生のとき、難病には必ずステロイドを使っていました。一時的にはよくなるけど、結局、効かなくなる。副作用で胃潰瘍ができたり、ひどいときには亡くなっていく。リウマチでも、ステロイドを打っておけば一時は楽になりますが、そのために血管が萎縮して心臓血管系の病気を起こしてしまう。
安保

そうです。そういう歴史を一度経験しているのに、なぜ忘れたのかが不思議です。
ステロイドがリウマチに劇的効いた。しかし、使いすぎて関節がボロボロになった。最後は内臓までやられる――我々は、戦後すぐにこのことを経験しているはずなんです。それを無視してまた使い始めているのですから、本当に許されないことだと思います。
情けない。情けなさすぎて、私は闘わざるを得ないんです。書いたり、話したりして。でも、私の性格からして、闘うなんて似合わないのですが(笑い)。
上野

私も応援しますので、しっかり闘ってください(笑い)。患者さんのために。
「未来免疫療法」とは
上野

先ほどおっしゃったように、ガンも他の病気も治すのはいっしょ、というところに安保理論の真髄があります。分かりやすくご説明いただけますか。
安保

まず、免疫力について説明しておきましょう。
免疫と言うのは、本体誰もが持っている自己防衛システムです。この免疫力が働いていれば病気を予防することができ、またたとえ病気にかかったとしても、自然治癒力が促されて病気が治るわけです。
よく代替医療に携わる方々が「免疫力が向上する」という言い方を多用しているのですが、これまでは科学的デ−タもなく、理論が確立されていなかったというのが現状でした。現代医学は、遺伝子研究に代表されるように研究の対象がより微細なものへと邁進し、現代医学の一分野である臨床免疫学でも、同じことが行われていたからです。
私の理論がこれまでのものと違うのは、「人間はなぜ病気になり、なぜ治るのか」と生きている人間そのものを丸ごととらえ、そうした統合的な視点で「免疫力」を研究してきた点です。ミクロからマクロへ視点を移した、とでも言いましょうか。
そして、1990年代に外科医の福田稔先生と「白血球の自律神経支配の法則」を発見したわけです。
上野

このときも、きっかけは「晴れた日は虫垂炎の患者さんが多くてゴルフにいけないのはなぜか」という、福田先生の生活に根ざした疑問から始まったのでしょうね。面白いエピソ−ドですね。
安保

そうなんです。その疑問を持ってこられたのが福田先生との初対面でしたから、面白い出会いだったと思います。それから私たちは、白血球に対する気圧、酸素の関与を調べていきました。そして、「自律神経は、内臓や血管だけではなく、白血球数とその働きを調節している」ということを突き止めることができたのです。
これを「福田ー安保の法則」と名付け、以来二人三脚で研究を進めていきました。病気がなぜ起こるのかなぜ治るのかというシステム、また現代医療はなぜ病気を治せないのかという根本的な問題も見えてきました。
上野

自律神経カギですね。

  対談内容

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