大腸がんについて
大腸は消化器系の中で食物の消化吸収を司る最後の器管です。
小腸から大腸に移行するところに回盲弁があり、盲腸の下端に虫垂突起があります。盲腸から続いて上行結腸、横行結腸、下行結腸、
S状結腸と続き、直腸から肛門となる約2mの長さがあります。大腸にできるがんで頻度が多い部位は直腸とS状結腸に次いで上行結腸です。
大腸がんは年々増加の傾向があり、死亡数は、肺がん、胃がんに次いで3位になっています。年齢別では60歳代が一番多く、次いで50歳代、
70歳代の順です。若年者(20-30歳代)大腸がんは家族や血縁者の中に多発する傾向があり、遺伝子因子の検索をすることが考えられています。
日本人の大腸がん増加の原因に、食生活の西欧化を主張する疫学者もいて動物性脂肪の取りすぎが原因ではないかといわれています。
大腸がんも便潜血検査やレントゲン検査や内視鏡検査で早期発見できれば、内視鏡的切除で完全に治すことができます。内視鏡で根治
切除ができなくても、開腹手術で根治切除ができ、その後万に一つ肝や肺に転移が見つかっても切除することもできます。切除できない
場合は抗がん剤での治療があります。
大腸がんの症状
大腸は長い臓器であるため、部位によって症状が異なります。
大腸を右結腸、左結腸、直腸の3つに大別して比較してみると、右結腸では腹部症状(腹鳴、腹満、など)が多く、次いで貧血、便通異常であり、左結腸
では下血、便通異常、腹部症状、の順であり、直腸では大半が下血で、便通異常、肛門部症状、であり、症状によって病気の部位がおおよそ見当をつける
ことができます。腸閉塞をきたすのは左結腸で、右側の貧血と併せて大きな特徴でもあります。
最近は検診の普及で、便潜血反応検査で陽性に出たことで発見される率が増加してきています。いわゆる、無症状検診発見例です。
90年後半では,半数近くが無症状で発見されています。
|