がん治療医学が進歩している中、なぜ漢方を取り込もうとするのか
近年急速な医学進歩に伴って、がんの治愈率が向上しています。早期発見ができれば、
早期手術によって著しい治療効果があり、抗がん剤にしろ、血液癌や悪性リンパ腫などのがんにたいして、
手術と匹敵ほど治療効果が上がられています。国立癌センタ−のまとめた資料を見てみると、初回入院患
者の部位別がんのうち、ほとんどのケ−スで「5年生存率」が上昇しています。とくに、乳がんや胃がんの場
合は、7〜8割りの患者が治療後5年間の生存を果たしているのは、日本の医療水準の高さをうかがわせるところです。
しかし、最大の問題点は進行がんの治療です。進行がんについては、現在行われている治療法の成績が日
本に含めどこの国の統計を見ても大幅に伸びていることは見えません。
がんはどれだけ小さな段階で発見されたとしても、必ず「転移」していると考えて間違いありません。普通
はがんの治療において、がんがなくなっても「もう完治しましたよ」という言葉は医師から聞こえません。
その代わりに「完全寛解しましたよ」どかというのです。「寛解」という意味は、腫瘍が画像で確認でき
なくなった状態を指します。しかし、「寛解」といってがん細胞が身体から消失したことは限りません。
腫瘍がなくなっても、がん細胞はまだ残り、そのため、西洋医学では、手術後の再発防止に抗がん剤を使
用します。これは対応療法からいえば不可欠な医療処置です。
ただし、抗がん剤の副作用のある点では患者さんと医師にとって非常につらい点です。
人間の身体は約60兆個の正常細胞からできており、その約2%の細胞が毎日分裂増殖して古い細胞を新し
く置き換わっています。抗がん剤は「毒をもって毒を制す」という効きかたによって、細胞増殖機構を阻害
する目的を果たすため、増殖しているものなら、髪の毛の細胞でも、胃や腸の細胞でも、血液の細胞でも、
神経を包んでいる細胞でもおかまいなしに殺してしまいます。
そのため、貧血、白血球減少、嘔吐、下痢、食欲不振、脱毛、激痛、神経障害、肺感染症、肝障害、腎不
全、免疫低下、倦怠感などの副作用が起こされるのです。
注目を集めた漢方薬の治療法
医学進歩につれて、癌治療の伝統三大療法(手術、放射線、化学療法)の限界を反省
する医師の声や“新たな新治療法”の研究が相次ぎ、それらの三大療法は他の新しい療法を支持療法とし
て取り込み、さらに飛躍的に進展しようとしています。その中で、集中的に注目されているのは西洋医学
と中医学(漢方医学)の融合治療法です。
漢方医学における癌治療の最大の特徴は、人が本来持っている生命力や自然治癒力を引き出して病気
を治療することです。それを果たすため、抗がん、免疫力増進、体力増強などの機能が含めている多種類
天然生薬を組み合わせ、人体の代謝機能を調節し、歪んだ生体状態を正し、人体免疫学監視機構を活性化
させ、がん細胞の増殖を抑えます。
また漢方薬を使用することにより、西洋医薬治療の副作用を劇緩和され、患者さんに与える治療上の苦
痛を最小限に減少できる有力な治療法になります。現在の医療では、治癒率の向上に対してがん患者のクオ
リティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上に重要な課程となっています。がん患者の中で、治っても癌治療
によるダメージを受けて治療の後遺症が残ってしまう患者が多いとされています。それを解決ため漢方薬
を取り込む医師も多いのです。
漢方薬は天然生薬の組み合わせて製成されたもので、副作用はほとんどないほどと考えても間違いはあ
りません。がん患者が手術のあとでも、長期的に服用することができ、がんの再発防止に役立つのです。
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