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漢方薬酒 東苑漢方の漢方薬酒十六選

薬酒は「未病を治す」

私立ちは病気でなければ健康であると考えがちですが、周囲を見回せば、病院で検査をしても異常が認められないけれど、倦怠感や憂鬱感、食欲不振などの症状に悩まされている人を大勢見かけます。
 古人はこの半健康、半病人の状態を、「未病」と呼びました。全ての病気はこの状態を通過し、こういう半健康、半病人の状態が長く続くと、いずれ本当の病気になってしまいます。漢方薬酒は、病気の一歩手前でその芽を解消してしまうことを本領としたものです。

薬酒ならではのアルコ−ルの効能も

生薬成分のなかにしめるアルコ−ルの量が多いだけに、薬酒の効能の中でアルコ−ルの薬理効果は大きいものがあります。それは@消化を助け、食欲増進する。A血液の循環をよくして体を温める。B眠りを助ける。C大脳皮質をマヒさせてストレス解消に役立つ。D血中の善玉コレステロ−ルを増加する。
 以上に加えて生薬の効能が、渾然一体となっているのが薬酒です。

薬酒に向く人、向かない人

薬酒は健康状態の、血液循環不良、虚弱体質、体力低下、老化など、体力を補い新陳代謝を高め、免疫力を強めたい人に向きます。
 ただし、アルコ−ルの効能上飲まないほうがよい人がいます。それは、病勢が激しく活動中で、熱が出て、機能が興奮状態にある場合です。例えば、出血性疾患、炎症性疾患、呼吸器疾患、などで、気管支炎、肝炎、潰瘍、肺結核、口内炎、高血圧症、各種がん疾患などがそれに含まれます。

生薬一種のみで作る方法と数種で作る方法が

1種類の生薬を酒に漬けたものを単方 といいます。効きめが比較的シャ−プなので、単純な病状で効果を一点に絞りたいときに用いることが多く、短期間で早く効果が現れます。
 2種類以上の生薬を漬けたものは複方といいます。複数の生薬で全身のバランスをよくしていくものが多く、症状が複雑で慢性的、体質的な傾向をもつものに向いています。長期的にじっくり効果を現します。

「毎日少しずつ」が飲み方の基本

アルコ−ルを大量に飲み続けるのが体によくないことは周知の通りです。薬酒も同じアルコ−ルですから、適量を守ってこそ絶大な効果があります。標準は1日40〜100ミリリットル。これを2〜3回に分けて食前か、食間(食事の2〜3時間後)にのみます。

おいしく飲むための方法あれこれ

薬酒は本来、味よりも効能本位につくられたものなので、味のよいものばかりではありません。しかし、毎日続けて飲むものですから、おいしいに越したことはありません。
 一番簡単な方法は甘味料を入れること。砂糖の他にはちみつなど、生薬の味に合うものを選んで調和します。
 好みですが、基本的には刺激的な味にはまろやかな甘みを加えるとよいでしょう。他に、漬け込み用の焼酎の代わりに香りのあるブランデ−を使ったり、また飲むときにワイン、キリュ−ル、ジュ−スなどを加えるのも一方です。


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